脂漏性角化症（しろうせいかくかしょう)

● 症状

• 中高年以降に多くみられる良性の皮膚腫瘍です。
• 茶色〜黒色の、少し盛り上がったイボのような皮疹が特徴です。
• 顔、頭、体幹など全身に出現します。
• 「老人性いぼ」とも呼ばれますが、加齢に伴い自然に増えていくことがあります。
• かゆみや刺激感を伴うこともありますが、基本的に悪性ではありません。

● 診断

• 視診（見た目の特徴）で診断できることがほとんどです。
• 必要に応じてダーモスコピー（拡大鏡）で確認します。
• まれに皮膚がん（悪性黒色腫や基底細胞がん）と区別が難しい場合があり、その際は病理検査を行います。

● 治療

• 基本的に治療は不要です。
• 美容的な理由や、かゆみ・炎症・出血などの症状がある場合に治療を行います。

● 治療方法

• 液体窒素による凍結療法（保険診療）
小さな病変に有効ですが、赤みや色素沈着が残ることがあります。
• 炭酸ガスレーザーによる除去（自由診療）
美容的にきれいに取りたい場合に選択します。ダウンタイムが短く、仕上がりも自然です。
• 手術切除
稀ですが、大きい場合や悪性腫瘍との鑑別が必要な場合に行うことがあります。

● 受診の目安

• 急に大きくなった
• 色が濃くなった、または不均一になった
• 出血やただれを伴う
• 美容的に気になる

このような場合は、皮膚科での診察をおすすめします。