TCA

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● ニキビ痕に対するTCA治療（TCA CROSS法）

■ TCA治療とは

TCA（トリクロロ酢酸）治療は、深いニキビ痕（クレーター状の陥凹）に対して行う再生治療の一種です。
トリクロロ酢酸という酸を皮膚の陥凹部分に極少量・局所的に塗布することで、皮膚の再生を促し、コラーゲン生成を活性化させて、徐々に凹みを改善していきます。

特に「アイスピック型」「ボックス型」など、レーザー治療だけでは改善が難しい深いニキビ痕に効果が期待できます。

■治療の原理（TCA CROSS法）

TCA治療は、「CROSS法（Chemical Reconstruction of Skin Scars）」と呼ばれる方法が一般的です。
高濃度のトリクロロ酢酸（通常50〜100％）を、細いスティックや極小綿棒でニキビ痕のくぼみ部分のみに正確に塗布します。

酸によって一時的に皮膚表面のタンパク質が変性し、数日かけてかさぶたが形成され、その後真皮のコラーゲン再構築が起こります。
この自然治癒過程を利用して、皮膚の陥凹が少しずつ浅くなっていきます。

● 治療の流れ

1. 洗顔・診察
　治療部位の皮膚状態を確認します。

2. 麻酔（必要に応じて）
　痛みを感じやすい方には表面麻酔を使用します。

3. TCA塗布
　ニキビ痕のくぼみにのみ、極少量のTCAを丁寧に塗布します。

4. 炎症反応と再生
　数日で白い変化（frosting）が見られ、かさぶたが形成され、1〜2週間で自然に剥がれます。

5. 再生期間
　皮膚の赤みや色素沈着が数週間続く場合がありますが、時間とともに改善します。

● 治療間隔と回数

TCA治療は1回で劇的に改善する治療ではなく、数回の積み重ねが必要です。
おおよそ 4〜6週間おきに3〜6回程度を目安に行います。
治療を繰り返すことで、徐々に皮膚の質感がなめらかになっていきます。

● ダウンタイム

• 治療部位の白い変化（frosting）やかさぶた：3〜7日程度
• 赤み：1〜3週間
• 色素沈着（特に色白・敏感肌の方）：一時的に起こる場合があります

● 他の治療との併用

TCA CROSS法は、以下の治療と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。

• CO2フラクショナルレーザー
• スキンブースター注射（リジュラン・ジュベルックなど）
• サブシジョン（皮下瘢痕剥離）

患者様のニキビ痕のタイプや深さに応じて、最適な組み合わせを提案いたします。

● 注意点

• 治療後は紫外線対策を徹底してください（色素沈着予防のため）。
• 自己処理（かさぶたを無理に剥がすなど）は避けてください。
• 妊娠中・授乳中、強い炎症性ニキビがある場合は施術を控えます。

● よくあるご質問

Q. 痛みはありますか？
A. ピリッとした刺激がありますが、数分で落ち着きます。痛みに弱い方には麻酔クリームを使用します。

Q. どのくらいで効果が出ますか？
A. 1回でもわずかな改善を実感される方もいますが、通常は3回以上の継続で目に見えて凹みの浅さが改善します。

Q. 色素沈着が心配です。
A. 炎症後色素沈着は一時的に生じることがありますが、時間とともに改善します。美白剤やトラネキサム酸の外用を併用することも可能です。