アトピー性皮膚炎
● 症状
アトピー性皮膚炎は、かゆみと慢性的な湿疹を主徴とする疾患で、多くの場合良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚が赤くなる、ジュクジュクする、かさつく、色素沈着が残るなど、症状は多彩です。特にかゆみは強く、掻くことで皮膚がさらに傷つき、炎症が悪化するという悪循環に陥りやすい点が特徴です。
症状は左右対称にあらわれることが多く、額、まぶた、口まわり、首、肘の内側、膝の裏、体幹などに現れやすい傾向があります。乳児期には頭部や顔から湿疹が始まり、成長とともに四肢や体幹へ移動し、思春期以降は上半身や顔・首に強く残るなど、年齢によっても症状の出やすい部位が変化していきます。
また、アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が弱いため、乾燥、汗、ストレス、気温差、花粉やダニ、動物の毛などのアレルゲンによって症状が悪化しやすいことも知られています。さらに、飲酒や睡眠不足など生活習慣も悪化要因となるため、日々の生活の中でどの要因が影響しているのかを把握することが重要です。
症状が長く続く場合、皮膚が厚く硬くなる苔癬化や、掻き壊しによる細菌感染(とびひ)、ウイルス感染(水いぼ、カポジ水痘様発疹症)を引き起こすこともあります。強いかゆみで目をこすり続けた結果、白内障などの眼合併症につながることもあり、早期の治療が何より大切です。
症状は左右対称にあらわれることが多く、額、まぶた、口まわり、首、肘の内側、膝の裏、体幹などに現れやすい傾向があります。乳児期には頭部や顔から湿疹が始まり、成長とともに四肢や体幹へ移動し、思春期以降は上半身や顔・首に強く残るなど、年齢によっても症状の出やすい部位が変化していきます。
また、アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が弱いため、乾燥、汗、ストレス、気温差、花粉やダニ、動物の毛などのアレルゲンによって症状が悪化しやすいことも知られています。さらに、飲酒や睡眠不足など生活習慣も悪化要因となるため、日々の生活の中でどの要因が影響しているのかを把握することが重要です。
症状が長く続く場合、皮膚が厚く硬くなる苔癬化や、掻き壊しによる細菌感染(とびひ)、ウイルス感染(水いぼ、カポジ水痘様発疹症)を引き起こすこともあります。強いかゆみで目をこすり続けた結果、白内障などの眼合併症につながることもあり、早期の治療が何より大切です。
● 診断
アトピー性皮膚炎の診断は、皮膚の状態と症状の経過、発症部位の特徴から総合的に判断します。
まず、慢性的に続く湿疹があり、かゆみを伴っているかどうかを確認します。顔、首、肘や膝の内側など、典型的な部位に左右対称性の湿疹がある場合はアトピー性皮膚炎の可能性が高くなります。
さらに、患者さまの体質や背景として、家族にアレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)があるかどうか、幼少期から皮膚トラブルを抱えていたかどうかといった点も重要です。
当院では、症状を正確に把握するために視診だけでなく、必要に応じて血液検査も行います。IgE抗体価、好酸球数、TARC値などは炎症の強さを評価する指標となり、治療効果の判定にも役立ちます。また、39種類のアレルゲンを一度に調べられるアレルギー検査(保険適用)を行うことで、症状を悪化させる外的要因の把握につなげています。
症状の範囲、炎症の深さ、皮膚の厚み、掻き壊しの程度、二次感染の有無などを丁寧に観察し、重症度を適切に評価したうえで、患者さまに最も適した治療方針を決定します。
まず、慢性的に続く湿疹があり、かゆみを伴っているかどうかを確認します。顔、首、肘や膝の内側など、典型的な部位に左右対称性の湿疹がある場合はアトピー性皮膚炎の可能性が高くなります。
さらに、患者さまの体質や背景として、家族にアレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)があるかどうか、幼少期から皮膚トラブルを抱えていたかどうかといった点も重要です。
当院では、症状を正確に把握するために視診だけでなく、必要に応じて血液検査も行います。IgE抗体価、好酸球数、TARC値などは炎症の強さを評価する指標となり、治療効果の判定にも役立ちます。また、39種類のアレルゲンを一度に調べられるアレルギー検査(保険適用)を行うことで、症状を悪化させる外的要因の把握につなげています。
症状の範囲、炎症の深さ、皮膚の厚み、掻き壊しの程度、二次感染の有無などを丁寧に観察し、重症度を適切に評価したうえで、患者さまに最も適した治療方針を決定します。
● 治療方針
― 皮膚科専門医が考える、症状を抑えるだけでなく「再燃しにくい肌」を目指す治療 ―
上記したようにアトピー性皮膚炎は、皮膚のかゆみや湿疹を繰り返す慢性の炎症性皮膚疾患です。単なる皮膚トラブルではなく、皮膚のバリア機能異常、免疫反応の過剰な活性化、遺伝的素因、環境要因、心理的ストレスなどが複雑に関与して発症・悪化します。乳児期から発症することもあれば、成人になってから症状が強くなるケースもあり、年齢や生活環境によって症状の現れ方や重症度は大きく異なります。
アトピー性皮膚炎の治療で最も重要なのは、今出ている症状を抑えることだけではなく、症状が落ち着いた状態をできるだけ長く保ち、再燃を防いでいくことです。当院では、皮膚科専門医の立場から、ガイドラインに基づいた標準治療と最新の治療選択肢を組み合わせ、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てています。ここでは、アトピー性皮膚炎の治療を5つの大きな柱に分けて詳しくご説明します。
アトピー性皮膚炎の治療は大きく5つ
「スキンケア」
「外用薬治療」
「内服治療」
「光線療法」
「生物学的製剤による全身治療」
上記したようにアトピー性皮膚炎は、皮膚のかゆみや湿疹を繰り返す慢性の炎症性皮膚疾患です。単なる皮膚トラブルではなく、皮膚のバリア機能異常、免疫反応の過剰な活性化、遺伝的素因、環境要因、心理的ストレスなどが複雑に関与して発症・悪化します。乳児期から発症することもあれば、成人になってから症状が強くなるケースもあり、年齢や生活環境によって症状の現れ方や重症度は大きく異なります。
アトピー性皮膚炎の治療で最も重要なのは、今出ている症状を抑えることだけではなく、症状が落ち着いた状態をできるだけ長く保ち、再燃を防いでいくことです。当院では、皮膚科専門医の立場から、ガイドラインに基づいた標準治療と最新の治療選択肢を組み合わせ、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てています。ここでは、アトピー性皮膚炎の治療を5つの大きな柱に分けて詳しくご説明します。
アトピー性皮膚炎の治療は大きく5つ
「スキンケア」
「外用薬治療」
「内服治療」
「光線療法」
「生物学的製剤による全身治療」
● ①スキンケア
すべての治療の基盤となる皮膚バリアの回復
アトピー性皮膚炎の皮膚では、水分を保持する機能が低下し、外部からの刺激やアレルゲンが皮膚の中に侵入しやすい状態になっています。この皮膚バリア機能の破綻が、炎症やかゆみを引き起こす大きな原因となります。そのため、アトピー性皮膚炎の治療においてスキンケアは単なる補助的なものではなく、すべての治療の土台となる極めて重要な要素です。
まず洗浄についてですが、皮膚を清潔に保つことは大切である一方、洗いすぎは皮膚のバリア機能をさらに低下させてしまいます。刺激の少ない洗浄料を使用し、強くこすらず、泡でやさしく洗うことが基本となります。熱いお湯は皮脂を過剰に洗い流してしまうため避け、ぬるめの温度で短時間の入浴を心がけることが重要です。
入浴後や洗顔後は、皮膚が乾燥する前に速やかに保湿を行う必要があります。保湿剤は症状の有無にかかわらず毎日継続して使用することが大切で、皮膚の状態や季節に応じてローション、クリーム、軟膏などを使い分けます。適切な保湿を継続することで、皮膚のバリア機能が改善し、炎症の起こりにくい状態を作ることができます。
当院では、患者さんの年齢や皮膚の状態、生活習慣を考慮しながら、具体的な洗浄方法や保湿のタイミング、使用量まで丁寧に指導しています。正しいスキンケアを身につけることは、アトピー性皮膚炎を長期的に安定させるための第一歩です。
アトピー性皮膚炎の皮膚では、水分を保持する機能が低下し、外部からの刺激やアレルゲンが皮膚の中に侵入しやすい状態になっています。この皮膚バリア機能の破綻が、炎症やかゆみを引き起こす大きな原因となります。そのため、アトピー性皮膚炎の治療においてスキンケアは単なる補助的なものではなく、すべての治療の土台となる極めて重要な要素です。
まず洗浄についてですが、皮膚を清潔に保つことは大切である一方、洗いすぎは皮膚のバリア機能をさらに低下させてしまいます。刺激の少ない洗浄料を使用し、強くこすらず、泡でやさしく洗うことが基本となります。熱いお湯は皮脂を過剰に洗い流してしまうため避け、ぬるめの温度で短時間の入浴を心がけることが重要です。
入浴後や洗顔後は、皮膚が乾燥する前に速やかに保湿を行う必要があります。保湿剤は症状の有無にかかわらず毎日継続して使用することが大切で、皮膚の状態や季節に応じてローション、クリーム、軟膏などを使い分けます。適切な保湿を継続することで、皮膚のバリア機能が改善し、炎症の起こりにくい状態を作ることができます。
当院では、患者さんの年齢や皮膚の状態、生活習慣を考慮しながら、具体的な洗浄方法や保湿のタイミング、使用量まで丁寧に指導しています。正しいスキンケアを身につけることは、アトピー性皮膚炎を長期的に安定させるための第一歩です。
● ②外用薬治療
炎症を直接抑える治療の中心
外用薬治療は、アトピー性皮膚炎の治療において最も基本かつ重要な治療です。皮膚に生じている炎症を直接抑えることで、赤み、湿疹、かゆみを速やかに改善させることができます。
ステロイド外用薬は、炎症を抑える効果が非常に高く、適切に使用すれば安全性も確立された薬剤です。しかし、誤った使い方や不十分な使用によって効果が得られなかったり、逆に必要以上に恐れて使用を避けてしまったりするケースも少なくありません。ステロイド外用薬は、症状の強さや部位に応じて適切な強さを選び、医師の指示通りに使用することが重要です。炎症が十分に抑えられることで、結果的に使用期間や使用量を減らすことが可能になります。
顔や首など皮膚の薄い部位、あるいは長期管理が必要な場合には、プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)やコレクチム軟膏(デルゴシチニブ軟膏)などの非ステロイド性抗炎症外用薬を使用することがあります。これらの薬剤は、免疫反応を調整することで炎症を抑え、再燃を防ぐ目的で用いられます。
症状が落ち着いた後も、炎症を起こしやすい部位に対して定期的に外用薬を使用する「プロアクティブ療法」を行うことで、再発の頻度を減らすことができます。当院では、症状の変化を細かく評価しながら、外用薬の種類や使用方法を適切に調整しています。
外用薬治療は、アトピー性皮膚炎の治療において最も基本かつ重要な治療です。皮膚に生じている炎症を直接抑えることで、赤み、湿疹、かゆみを速やかに改善させることができます。
ステロイド外用薬は、炎症を抑える効果が非常に高く、適切に使用すれば安全性も確立された薬剤です。しかし、誤った使い方や不十分な使用によって効果が得られなかったり、逆に必要以上に恐れて使用を避けてしまったりするケースも少なくありません。ステロイド外用薬は、症状の強さや部位に応じて適切な強さを選び、医師の指示通りに使用することが重要です。炎症が十分に抑えられることで、結果的に使用期間や使用量を減らすことが可能になります。
顔や首など皮膚の薄い部位、あるいは長期管理が必要な場合には、プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)やコレクチム軟膏(デルゴシチニブ軟膏)などの非ステロイド性抗炎症外用薬を使用することがあります。これらの薬剤は、免疫反応を調整することで炎症を抑え、再燃を防ぐ目的で用いられます。
症状が落ち着いた後も、炎症を起こしやすい部位に対して定期的に外用薬を使用する「プロアクティブ療法」を行うことで、再発の頻度を減らすことができます。当院では、症状の変化を細かく評価しながら、外用薬の種類や使用方法を適切に調整しています。
● ③内服薬治療
かゆみと炎症を内側からコントロールする
アトピー性皮膚炎では、強いかゆみによって皮膚を掻いてしまい、症状が悪化する悪循環が起こりやすくなります。このかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服が用いられます。これらの薬剤は、かゆみを軽減することで掻破行動を減らし、皮膚の回復を助ける役割を果たします。
患者さんの生活リズムに合わせて、眠気の出にくい薬や、夜間のかゆみを抑える目的であえて鎮静作用のある薬を選択することもあります。内服薬は外用薬やスキンケアと併用することで、より高い治療効果が期待できます。
症状が重い場合には、免疫反応を抑える内服薬を短期間使用することもありますが、これらは医師の厳密な管理のもとで行う必要があります。自己判断で中断したり、長期に漫然と使用したりすることは避け、定期的な診察を受けることが重要です。
アトピー性皮膚炎では、強いかゆみによって皮膚を掻いてしまい、症状が悪化する悪循環が起こりやすくなります。このかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服が用いられます。これらの薬剤は、かゆみを軽減することで掻破行動を減らし、皮膚の回復を助ける役割を果たします。
患者さんの生活リズムに合わせて、眠気の出にくい薬や、夜間のかゆみを抑える目的であえて鎮静作用のある薬を選択することもあります。内服薬は外用薬やスキンケアと併用することで、より高い治療効果が期待できます。
症状が重い場合には、免疫反応を抑える内服薬を短期間使用することもありますが、これらは医師の厳密な管理のもとで行う必要があります。自己判断で中断したり、長期に漫然と使用したりすることは避け、定期的な診察を受けることが重要です。
● ④光線療法
薬物治療を補完する選択肢
光線療法は、特定の波長の紫外線を皮膚に照射することで、アトピー性皮膚炎における過剰な免疫反応を抑え、炎症やかゆみを改善する治療法です。外用薬やスキンケアを適切に行っていても症状が安定しにくい場合や、薬剤の使用量をできるだけ減らしたい場合に、有効な治療選択肢となります。
当院では、光線療法としてフレクシスフィット(FLEXYS FIT)を導入しています。フレクシスフィットは、エキシマライトと呼ばれる308nm付近の特定波長の紫外線を用いた医療機器で、アトピー性皮膚炎の炎症部位に対してピンポイントに照射できることが特徴です。従来の全身型紫外線療法と異なり、症状のある部位のみに照射できるため、正常皮膚への不要な紫外線曝露を最小限に抑えることが可能です。
フレクシスフィットによる光線療法は、皮膚の中で過剰に働いている免疫細胞の活動を抑制し、炎症性サイトカインの産生を低下させることで、赤みや湿疹、かゆみの改善をもたらします。特に、肘や膝の内側、首、手指など、外用薬だけでは治りにくい慢性的な病変に対して効果が期待できます。
治療は週に数回の通院が必要となりますが、1回あたりの照射時間は短く、痛みもほとんどありません。副作用としては、一時的な軽い赤みやほてり感がみられることがありますが、医療機関で適切に管理された条件下で行うことで、安全性は高いとされています。当院では、皮膚の状態や治療歴を十分に評価したうえで、照射回数や強度を細かく調整しながら治療を行っています。
フレクシスフィットによる光線療法は、外用薬治療やスキンケアと併用することで、より安定した症状コントロールを目指す治療法であり、薬に過度に依存せずにアトピー性皮膚炎を管理したい方にとっても有用な選択肢です。
光線療法は、特定の波長の紫外線を皮膚に照射することで、アトピー性皮膚炎における過剰な免疫反応を抑え、炎症やかゆみを改善する治療法です。外用薬やスキンケアを適切に行っていても症状が安定しにくい場合や、薬剤の使用量をできるだけ減らしたい場合に、有効な治療選択肢となります。
当院では、光線療法としてフレクシスフィット(FLEXYS FIT)を導入しています。フレクシスフィットは、エキシマライトと呼ばれる308nm付近の特定波長の紫外線を用いた医療機器で、アトピー性皮膚炎の炎症部位に対してピンポイントに照射できることが特徴です。従来の全身型紫外線療法と異なり、症状のある部位のみに照射できるため、正常皮膚への不要な紫外線曝露を最小限に抑えることが可能です。
フレクシスフィットによる光線療法は、皮膚の中で過剰に働いている免疫細胞の活動を抑制し、炎症性サイトカインの産生を低下させることで、赤みや湿疹、かゆみの改善をもたらします。特に、肘や膝の内側、首、手指など、外用薬だけでは治りにくい慢性的な病変に対して効果が期待できます。
治療は週に数回の通院が必要となりますが、1回あたりの照射時間は短く、痛みもほとんどありません。副作用としては、一時的な軽い赤みやほてり感がみられることがありますが、医療機関で適切に管理された条件下で行うことで、安全性は高いとされています。当院では、皮膚の状態や治療歴を十分に評価したうえで、照射回数や強度を細かく調整しながら治療を行っています。
フレクシスフィットによる光線療法は、外用薬治療やスキンケアと併用することで、より安定した症状コントロールを目指す治療法であり、薬に過度に依存せずにアトピー性皮膚炎を管理したい方にとっても有用な選択肢です。
● ⑤生物学的製剤による全身療法
デュピクセントを用いた最新治療
近年、アトピー性皮膚炎の治療は大きく進歩し、生物学的製剤による全身療法が中等症から重症の患者さんに対する新たな治療選択肢として確立されています。当院では、その代表的な治療薬であるデュピクセント(一般名:デュピルマブ)を用いた治療を行っています。
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の発症や慢性化に深く関与しているインターロイキン4およびインターロイキン13という免疫物質の働きを特異的に抑制する抗体製剤です。従来の免疫抑制薬とは異なり、炎症の原因となる経路をピンポイントで抑えるため、高い治療効果が期待できる一方で、全身的な副作用が比較的少ないことが特徴です。
この治療は皮下注射によって行われ、定期的に投与を継続することで、皮疹の改善だけでなく、強いかゆみの軽減、睡眠の質や日常生活の質の向上が期待できます。外用薬や内服薬、光線療法を行っても十分な効果が得られない場合や、広範囲に症状が及んでいる場合に適応となることが多く、アトピー性皮膚炎による生活への支障が大きい患者さんにとって、大きな治療の選択肢となります。
デュピクセント治療を開始する際には、症状の重症度やこれまでの治療経過を慎重に評価し、保険適応の条件を満たしているかを確認したうえで導入します。治療開始後も定期的な診察を行い、効果や副作用の有無を確認しながら、安全に治療を継続していきます。
当院では200㎎、300㎎ともに注射手技が簡単なペンタイプを推奨しており、また初回導入時は医師による説明と看護師による注射手技の説明、指導を十分に時間をかけて行っているため、ご不安がある方でも安心して治療がスタートできます。
また、生物学的製剤には他にも種類があり、2022年に発売されたミチーガ(ネモリズマブ)や、2023年に発売されたアドトラーザ(トラロキヌマブ)、注射が苦手な方には内服できるJAK阻害薬として2020年に適応追加されたオルミエント(バリシチニブ)、2021年に適応追加されたリンヴォック(ウパダシチニブ)、2021年に発売されたサイバインコ(アブロシチニブ)等患者様の症状とご希望に合わせて処方することもあります。
生物学的製剤による治療は、アトピー性皮膚炎を「我慢しながら付き合う病気」から、「適切にコントロールできる病気」へと大きく変えた治療法です。当院では、患者さん一人ひとりの生活背景や治療に対する希望を大切にしながら、どの治療が最適かどうかを丁寧に判断しています。
近年、アトピー性皮膚炎の治療は大きく進歩し、生物学的製剤による全身療法が中等症から重症の患者さんに対する新たな治療選択肢として確立されています。当院では、その代表的な治療薬であるデュピクセント(一般名:デュピルマブ)を用いた治療を行っています。
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の発症や慢性化に深く関与しているインターロイキン4およびインターロイキン13という免疫物質の働きを特異的に抑制する抗体製剤です。従来の免疫抑制薬とは異なり、炎症の原因となる経路をピンポイントで抑えるため、高い治療効果が期待できる一方で、全身的な副作用が比較的少ないことが特徴です。
この治療は皮下注射によって行われ、定期的に投与を継続することで、皮疹の改善だけでなく、強いかゆみの軽減、睡眠の質や日常生活の質の向上が期待できます。外用薬や内服薬、光線療法を行っても十分な効果が得られない場合や、広範囲に症状が及んでいる場合に適応となることが多く、アトピー性皮膚炎による生活への支障が大きい患者さんにとって、大きな治療の選択肢となります。
デュピクセント治療を開始する際には、症状の重症度やこれまでの治療経過を慎重に評価し、保険適応の条件を満たしているかを確認したうえで導入します。治療開始後も定期的な診察を行い、効果や副作用の有無を確認しながら、安全に治療を継続していきます。
当院では200㎎、300㎎ともに注射手技が簡単なペンタイプを推奨しており、また初回導入時は医師による説明と看護師による注射手技の説明、指導を十分に時間をかけて行っているため、ご不安がある方でも安心して治療がスタートできます。
また、生物学的製剤には他にも種類があり、2022年に発売されたミチーガ(ネモリズマブ)や、2023年に発売されたアドトラーザ(トラロキヌマブ)、注射が苦手な方には内服できるJAK阻害薬として2020年に適応追加されたオルミエント(バリシチニブ)、2021年に適応追加されたリンヴォック(ウパダシチニブ)、2021年に発売されたサイバインコ(アブロシチニブ)等患者様の症状とご希望に合わせて処方することもあります。
生物学的製剤による治療は、アトピー性皮膚炎を「我慢しながら付き合う病気」から、「適切にコントロールできる病気」へと大きく変えた治療法です。当院では、患者さん一人ひとりの生活背景や治療に対する希望を大切にしながら、どの治療が最適かどうかを丁寧に判断しています。